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グランギニョル感想 8/2夜 ネタバレ

グランギニョル感想

千秋楽終わったので、グランギニョル感想メモ

※私はトランプ、リリウムをDVDで見ているものの数年前の記憶、グランギニョル観劇も二階席から一回のみですので、記憶違い等ありましたらすみません。

私の観劇は8/2ソワレ、クラウスゲスト出演回。
スタンディングオベーションでした。
大変面白いものを見させてもらいました!というのは前提に。


全体的な雰囲気として:

・男女キャストがでているのが新鮮
トランプは男性のみ、リリウムは少女のみでしたので、属性が限定された独特の、閉鎖的・倒錯的な世界観は薄まっており。
吸血鬼の世界というファンタジー設定ではあるものの19世紀あたりヨーロッパを舞台にした、ミステリー劇の雰囲気があって見やすい内容でした。
男性キャストのほうが人数が多いのですが、その中で厳選されていた女性キャストの凜とした存在感が強く残りました。

・殺陣がすごい

アクションシーンが思ったより多く、見応えありました。
それを目当てに行っている人もいるのかな?



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ここからネタバレ(トランプ、リリウムも含みます):


このお話、核心となる、種あかし、ひっかけ等のパーツは沢山ありますが、その中での最大のネタである

1、真の黒幕はだれか?

……については大変わかりやすかった。
トランプ、リリウムとみて末満さんの仕掛ける真犯人に仕立てやすい人物像というのが彼(ウル)のキャラクター像がそれにとても近かったため。
私はだまされやすいタチなので、トランプでのクラウス、リリウムのファルスの正体にはものすごく驚いたのですが、今回はそれを踏まえるとあまり驚きはなかった。

 でもいいの、ほかに種や見どころはあったから。
そういう脚本家の、癖のようなものは必ずしもマイナスなことではないと思います。
末満さんは、黒幕役にはシリアスもコメディ演技も求めるから、役者さん大変だな、でもやりがいあるんだろうな、という印象。

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2、ゲルハルトの秘密、葛藤の正体は?

 これは興味深かった。
貴族や血統に固執し、狂った奥さんを献身的に支えるゲルハルトの苦悩について。
彼の肉体が子供を作ることができないため、奥さんに他の男を誘惑させ子を産ませて、発狂→自殺においやった罪について、劇中では肉体的な問題をメインに糾弾していましたが、卑劣なのはそんなことを人に強いる、彼の精神の方だろうと。

 観客のほとんどは女性のため、いくらかっこいい役者さんが演じていようが、「この男!許せない!」と私と同じように思った人は多かったでしょう。
彼はこの事実をばらされ精神的ダメージを負いましたが、それ以外は特に罰らしいものもなく奥さんに対する強い思いもなく、なんとなーく腑に落ちずでしたね。

3、クライマックス、どのように決着するのか

 これはこのシリーズのチート技「イニシアチブ」の発動で決着でしたね。
イニシアチブはパワーバランスがめちゃくちゃで、悪役が主人公側の首をかめるチャンスされあれば、秒速で物語を終わらせることも可能なので、発動した瞬間見てるこちらも「終わったな」と思うもの。
 

  今回はそれを最後に使うことで、わざと回りくどいやり方で残酷で美しい(?)ストーリーを作るという主題「グランギニョル」と結び付けているわけですね。

 黒幕(ウル)が、フリーダをかみ、夫ダリを殺させるよう、イニシアチブを発動させました。
フリーダのダリへの不貞の疑いの誤解が解けた後なので、愛し合う者同士の戦いとなり、ここが舞台の一番の見せ所の「残酷さ」を演出する場面なわけです。

 それはいい。
フリーダがかわいそうだけど、主題だから。
ただ前述の理由もあり、ダリを守るためにフリーダを刺して、ゲルハルトがいいやつ側として決着したのはちょっと違和感ですね。 

 この腑に落ちなさは、単純に私が男同士の友情よりも、男女の愛情のストーリーの方が好みだからかもしれません。
観客はかっこいい俳優さんを目当てでいらっしゃる方が多そうですので、別の感想をいだくかもしれないですね。


 
4、トランプ、リリウムにはどのように続いていくのか

 まず、最重要である呪いと祝福をかけられた赤ちゃんウル(父と同じ名を継承)はトランプに登場し、また数奇な運命と苦悩の人生を歩みます。
グランギニョルの物語自体がウルの出生秘話となっているわけです。(舞台上は名前が出るのみのラファエロとアンジェリコもトランプに登場)

 そしてキキ!繭期3人組のうち唯一キキが生き残り、その子孫がマリーゴールドになるというつながりは予期しておらず、びっくりしました。
マリーゴールドの歌う「もう泣かないと決めた日」は名曲ですので、そのオケが流れ、涙ぐんでいるお客さんも多かったですね。

 ただちょっとまって!!
トランプとリリウムを見るかぎり、ウルもマリーゴールド「生き残った希望の子、子孫」設定にあてはめるには、つらい出来事にまみれた人生ですし、しかも最期がね、あまりにあまりで。

 そのあまりにあまりな悲劇性を「残酷だなあ」と観客に感じてもらいたいのか、それとも(最期がどうあれ)葛藤や苦悩とともに生きることに価値があるという導き出しをしたいのか、どうなんでしょうかね。
好みでいうと私は後者です。

 そういえば、この話「残酷劇」なんですが、悪役やキキ以外の女性は死んでいるのに対し、主役級の男性は生き残っているんですよね。
トランプやリリウムのようなほぼ皆殺しラストに比べるとずいぶん生存率が高いような。

結局生きることの方が、残酷なのかも?
(これ以上出てこないので、感想を終えます)

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役者さんについて:

 私はアンジュルム(※)のファンで、アンジュルムを卒業しためいめいことキキ役田村芽実さん(リリウムのマリーゴールド役)目当てで鑑賞したので、他の役者さんについては何も知らない状態でした。

めいめいが出ているだけで涙が出そうになる弱いヲタクで、彼女の歌、演技、殺陣に感動しました。
東京千秋楽で体調を崩し演出が変更になりましたが、責任感の強い彼女が一番心苦しかったと思います。
あの子、ああ見えてまだ18歳なんですよ!
(この話は話し出すととまらないので終えます)

演じている役者さん達のかっこよさはもとより、演技の上手さにも魅了されました。
特に印象にのこったものを簡単に。

染谷俊之さん:主役としての存在感、ダリ役としての威厳ありありでした。


三浦涼介さん:ゲルハルトは好きではないですが、とても美しかったです。


東啓介さん:上背もあり、大変舞台映えのする方ですね、かっこいい。


藤木修さん:ふりきった演技を生き生きとしているのが印象的。とても上手だった。


愛加あゆさん:気品のあるふるまいは身にしみついたもの。フリーダ様信者になるところでした。


田中真琴さん:唯一の人間役で普通っぽさを身にまとっている役がアクセントになっていました。ただ彼女は実はものすごく狂っている役なので後半に違いがでるとさらによかったかも。

以上!

アンジュルム:リリウムのときはスマイレージというグループ名でしたが2015年にアンジュルムに改名。
卒業、加入を繰り返し、生歌と勢いのあるダンスでかっこいいグループになっています。
メンバーは卒業しためいめいの女優の夢を応援していて、グランギニョル観劇にも来ています。
ハロプロですが意外に女性ファンたくさんいます、よろしくお願いします。

(と、最後にダイレクトマーケティング、グループ名検索で公式MVたくさん見れます)